彼はスター


翔君の意外な一面に好感度はアップした。

タクシーで15分くらい会話してお店に着いた。

「昨日もここに来たの?」

「そうだよ。」

翔君は普段通りに戻った。

8才年上のお兄さんなのにそう見えない。

同い年の友だちみたい。翔君は若いな~。


部屋に案内されて、翔君は私の歌を入れた。

翔君が歌うあたしの作った歌。まるで別の歌みたいでつい聞き入っちゃった。


「翔君の声、本当にステキ!幸せ~一緒にカラオケ来れて。」


「ええ!ありがとう。そんな喜んでくれるならいくらでも歌うよ。
美緒ちゃんもなんか歌ってよ。」

翔君の後に歌うのは気が引けるけど、2人っきりだし自分の持ち歌を歌った。

歌い終わると翔君が言った。
「オレも幸せだよ。美緒ちゃんとカラオケなんて。ずっとファンだったから。」

嬉しいことさらっと言ってくれて、本当だったら照れ臭いしどうしていいかわからないあたしはニコニコ笑っちゃうしかなかった。



2時間歌った。

翔君は仕事に出掛けていった。

あたしには夢のような2時間だった。

翔君が自分の歌を歌ってくれるなんて。

夢みたいな事が起こるんだな~デビューも奇跡的だったけど。

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