HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「“幸せ”は右手の小指から入って、左手の小指から出ていくんだって。だから、左手の小指に指輪をしてると幸せが逃げていかないらしいぞ。」


私の気持ちなんて全然わかっていないケイは、偉そうにピンキーリングの説明をした。


「‥は、ハル?泣くなよ!?」


ポロポロと泣き出した私に驚いたケイはソファーから立ち上がった。


「な、何で泣くんだよ?」


ケイはティッシュを差し出しながら言った。


「ご、ゴメン‥嬉しくて‥。プレゼントだって最初に言ってくれれば良かったのに‥。」


私はケイから受け取ったティッシュで涙を拭いた。


「最初に言ったら値段見るだろ?ハルが一番気に入ったものを選んで欲しかったから‥。」


確かに‥こんな高価な指輪なんて選ばない‥。


「‥もしかして、ダイヤモンドが付いてる指輪って‥。」


「‥4月の誕生石‥なんだろ?昔から菜摘に耳にタコができるくらい聞かされてたからな。」


ケイは少し照れ臭そうに頭をポリポリと掻いた。


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