HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「ハル。次の収録は須藤さんもいるし、夜中まで掛かりそうだから、先に帰っていいぞ?」


楽屋で二人きりになったとき、ケイが心配そうに私を見て言った。


「‥え?」


また余計なことを考えていた私は驚いてケイを見た。


「ハル、ちょっと体調悪いだろ?顔色も良くないし‥。最近忙しかったから、疲れてるんじゃないか?」


ケイが私の顔を覗き込む。


「俺も収録は終わったら、すぐ帰るから。何かうまい夜食作って、寝て待ってて。」


ケイがいつもと変わらない様子でニカッと笑って言った。


一番忙しくて疲れてるケイに心配させちゃうなんて‥。


“マネージャー失格”、だよね‥。


「大丈夫!心配しないで?」と笑って言うことができずに‥私はトボトボと楽屋を後にした。
< 113 / 357 >

この作品をシェア

pagetop