HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「‥私の大切な友達に何か用?花梨ちゃん。」


そのとき、私の背中から聞き覚えのある声がした。


「その節は私の弟がお世話になったみたいで。」


落ち着いた口調で北村 花梨に話し掛けると私の隣に並ぶ。


「あれからお仕事が増えて忙しくなった花梨ちゃんが、こんなところで楽しくお話している時間があるのかな?」


「あ、いえ。あの‥。」


さっきまでの威勢の良さがなくなり、逆にオドオドし出した北村 花梨。


「‥失礼します。」


そう言って、北村 花梨は逃げるようにその場から去っていった。


「ハルちゃん、大丈夫?」


心配そうに私の顔をのぞき込む、その人の胸元には‥。


私がハワイで買ったゴールドの“バレル”のネックレスがキラキラと輝いていた。
< 117 / 357 >

この作品をシェア

pagetop