HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「あ、おかえり。」


私はケイの顔を見た瞬間、気持ちが怯む前に口を開いた。


「ケイ、あのね!」


「ハル!聞いてくれよ!」


‥思いがけず言葉が重なった私達は二人で目を丸くした。


「ハル、何かあったのか?」


「あ、ううん!大したことじゃないの。ケイこそ何かあったの?」


ケイは少し興奮しているみたいだった。


「ハル、聞いてくれよ!今放送してるドラマの映画化が決まったんだよ!」


ケイが私の両肩に手を置いて、ユサユサと私を揺らした。


「‥本当に?」


「マジマジっ!さっき事務所で言われてさ。俺、今回の役は本気で取り組んだから、マジで嬉しいんだ!」


興奮しているケイはギュッと私を抱き締めた。


「け、ケイっ!」


「うわぁ、マジ嬉しい!ハルのおかげだよ。ありがとな、ハル。」


ケイったら‥。


私は子どもみたいに無邪気なケイが可愛く感じた。
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