HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
‥ガチャ。


ハッとして振り向くと、楽屋のドアを開けたケイが驚いた顔をして私を見ていた。


「‥ハル?どうした、その顔‥?」


腫れた瞼に真っ赤な瞳、私の顔は涙でグチャグチャだった。


「‥ハル?」


「‥どうして?」


「え?」


ケイが私に歩み寄る足を止めた。


「‥どうして、あの子に私の話をしたの?」


「ハル?どうしたんだよ?あの子って誰だよ?」


「とぼけないでよ!」


私は自分の荷物をかき集めた。


「な、ハル!?落ち着けよ!」


ケイが私の肩を掴んだ。


「離してっ!」


私は勢いよくケイの手を払った。


「ハル‥。」


「私は‥ケイの側にいれるだけで幸せだったのに‥。ケイのこと‥誰よりも大切な人だと思っていたのに‥。」


枯れたはずの涙がまた私の頬を伝う。


「‥ケイのこと、小学校のときから‥ずっと好きだったのに‥!」


私は楽屋を飛び出した。
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