HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「‥二宮。得意のアレ、頼む。」


松木さんがそういうと、女性バーテンダーが「アレね、了解です。」と言って奥の厨房へ向かった。


“二宮さん”って言うんだ‥あの人。


私は彼女の背中を見送った。


松木さんは手早くお酒のビンを選び、カクテルを作っていく。


シェーカーの音が心地よく響き、カクテルが注がれる。


「ギムレットです。」


須藤さんの前にカクテルが注がれたグラスが置かれる。


‥まるで映画でも見ているみたい‥。


あまり広くはないお店だけど、その雰囲気がまたイイ感じだった。


「お先に頂くよ。」


須藤さんがカクテルを一口飲む。


「これこれ。仕事の後はこれが一番。」


須藤さんがそう言うと、フッと松木さんが優しく微笑んだ。


その笑顔がとても素敵で、私は少しの間見とれていた。
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