HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「‥ケ、ケイ!?」


ケイは乱暴に私の肩を掴んで、停めていた車の助手席に乗せた。


「‥シートベルトして。」


運転席に乗り込んだケイは、呆然としている私にシートベルトをつけて‥私の顔をのぞき込んだ。


怒っているようで、どこかせつなそうな‥苦しそうな表情で‥。


そのまま車を走らせて、会話もなくマンションの駐車場に着いた。


‥私、どうしたらいいんだろう‥。


いつものケンカした後のケイとは明らかに雰囲気が違った。


「‥降りて。」


ケイは動けないでいる私を見て、助手席のドアを開けた。


私の手を掴んだケイは、そのまま何も言わずに歩き出す。


気まずい雰囲気が重たい‥。


ケイの手を振りほどきたいのか、それとも離したくないのか‥。


私自身、自分の気持ちがよくわからないまま‥私はケイに付いて行った。
< 151 / 357 >

この作品をシェア

pagetop