HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「‥ケイ、さっきはひどいこと言ってゴメン。‥私、愛莉さんに”ケイの召し使い“って言われて‥自分でも“そうなんじゃないか”ってずっと思ってたから‥。ケイのこと、信じなくてゴメン。」


私が頭を下げると、ケイは呆れた顔をしていた。


「んなわけねーだろ?あの女、許せねぇ‥。」


「でも、ケイも誤解してる!」


私は真っ直ぐケイを見て言った。


「私‥大学で先輩に付き合って欲しいって言われたとき、ケイに”そんな男と付き合うな“って言って欲しくて、ケイに相談したの。ケイの気持ちが知りたかったの‥。」


ケイがハッとした顔をした。


「ハル‥おまえまさか、俺が“誰かと付き合った方がいいんじゃねー?”って言ったから‥その男と付き合ったのか‥?」


私は黙って頷いた。


「ケイは私のこと”幼なじみ“だとしか思ってないんだって‥その後、ケイのスキャンダルも出たし‥。」


私は俯いて言った。


「あのスキャンダルは‥ハルが他の男と付き合って自棄になってたんだ。ハルが俺から離れるなんて考えたこともなかったから‥。」


ケイの温かい手が、また私の頬を優しく包む。
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