HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「‥後で須藤さんに辞表を出すつもりだったの‥もう即クビだと思うけど‥。それに‥
ケイの側に戻るつもりもないし‥。」


「ハルちゃん‥それでいいの?」


私は黙って頷いた。


「ケイにはケイにしかできないことがあるから‥私はケイに芸能界で頑張って欲しい‥。だから理沙ちゃん、ケイに私の居場所を知らせないで欲しいの‥。」


「ハルちゃん‥。」


「ワガママ言ってゴメンなさい‥。」


「わかった。ハルちゃんがそう決めたのなら、私はそれに従うわ。‥じゃあ、私は仕事に戻るから、ここで須藤さんを待っててね。」


理沙ちゃんの背中を見送って部屋に一人きりになると‥途端に不安になった。


もう‥隣にケイは‥いないんだ‥。


私はそっとケイのジャケットを抱きしめた。
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