HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「あ‥アップルパイだ。まだ温かい‥。」


二宮さんがホット・ワインを作ってくれた、あの日。


ケイが迎えに来て、せっかく出してくれたのに食べ損ねたアップルパイ。


これ‥食べたかったんだぁ。


「アイツの作るアップルパイを食べないと人生損するぞ。」


‥え?


松木さんがニコッと優しく微笑む。


それはもちろん、私に対する微笑みじゃなくて‥きっと二宮さんへの松木さんの想い。


「あ、あとそのマグボトルのホット・ワインは、あんたの彼氏から。」


「‥え?彼氏!?」


思わず紙袋ごと落としそうになった私の手を松木さんが掴んだ。
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