HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「どんな仕事でも就職できれば何とかなるって思ってた。でもケイを見ててわかったの。社会人って、プロになるって、そんなに甘いものじゃないんだって。」


「でも、一緒に暮らしてたって仕事はできるだろ?俺はハルのことを公表したって構わないと思ってる。だから、俺の側にいてくれよ。」


「‥まだその時期じゃないことは、ケイもわかってるでしょ?【happiness】のみんなで頑張って、やっとここまで来たんでしょ?私達のことで、メンバーやここまで応援してくれたファンに迷惑は掛けれないよ。」


「‥それは‥。」


さすがのケイも口を閉ざした。


「ケイ。私はケイのことが好き。もう携帯の電源を切ったり、逃げたりしない。この騒ぎが落ち着いたら実家に戻って、ケイが迎えに来てくれるのをずっと待ってる。だから‥。」


「‥だから?」


「それまでは自分の道を進もう?私達なら側にいれなくても、すぐに会えなくても、きっと繋がっていれる。‥そうでしょ、ケイ?」


私は涙を堪えて、真っ直ぐ前を見た。


ケイに甘えないで自分の道を探す。


‥何があってもケイを信じて待とう。


そう覚悟を決めて‥。
< 246 / 357 >

この作品をシェア

pagetop