HAPPINESS!~幼なじみはアイドル~
「それじゃあ、悠哉と菜摘の幸せに乾杯‥だな。」


ケイがグラスを持って言った。


「‥なんかドラマのワンシーンみたいだね。」


私が照れ隠しにそう言ってグラスを持つと、ケイも笑ってグラスを傾げた。


口の中に広がるフルーティで爽やかな甘味と酸味。


とても上品な味のカクテルに、フゥっとため息が溢れた。


「‥おいしい。癒されます。」


私がそう言うと、松木さんが優しく微笑んだ。


「これはホワイト・レディ。その名の通り、”白い貴婦人”を思わせるカクテルだ。」


「ホワイト・レディかぁ‥今日のウェディングドレス姿のなっちゃんを思い出しちゃうな。」


私は頬に手を付いて、またうっとりとカクテルを眺めた。
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