HAPPINESS！～幼なじみはアイドル～

「あっ、相原。急いで俺の楽屋から忘れ物取ってきてくれる？須藤さん、お願いします。」


「うん、わかった。相原さんに楽屋を案内するよ。それでは失礼します。」


軽く頭を下げて、私と須藤さんはその場を離れた。


一度スタジオを出たところで、須藤さんがクスクス笑いだした。


「須藤さん？どうしたんですか？」


私が不思議そうにしていると、須藤さんがメガネを触りながら言った。


「ゴメンね。いや、あんな慶太を久しぶりに見たなって思って。」


「えっ？」


「慶太ね、デビューしてからはいつも上の空っていうか。他人に関心も持たないし‥。今日の慶太はまるで春奈ちゃんを守ってる”ヒーロー“だね。」


「高校生の慶太に戻ったみたいだ」と須藤さんはまたクスクス笑った。