【 青春という名の、革命を 】
「タチバナレン?」
夏休み中、不思議ノートの著者タチバナレンについて探し回るはずだった。
図書室に入り浸るはずだった。
だが、肝心の図書室には次の日から鍵が掛かっており、入ることができなかった。ふざけんな。不思議ノートも唯一の情報源の文集も、全て図書室の中だ。
つまり、何もできない。
「誰だそいつ。新しい彼氏?」
夏休みが終わるまで、残り3週間。
このはっきりすっきりしない気持ちを、よくぞ耐えたと、誉め称えたい。途中何度か、窓を壊して侵入しようとしたことはあったが。
「彼氏いない歴=年齢ですけど?夏が終わっても、その記録は変わらないですけど?」
夏休み明け、初日。
いつものメンバーで全校集会をさぼった。これもいつものことだ。
もうすっかりさぼり場と化した、部室棟の一室。
殺風景な部屋にある、ソウスケが持ってきたベンチ。これを抱えてきた時は、色々な意味で焦ったが、今はみんなで仲良く使っている。