【 青春という名の、革命を 】



物音がした方を見ると、図書室があった。


図書室なんて、入学前の学校見学以来だ。自分に縁のないものだと思っていたせいか、つい先程まですっかり存在を忘れていた。



「たまには図書室とかも、いい♪」



何がと聞かれたらなにも言えないが、暇だからだろう。少し普段とは違うことをしてみたかった。


躊躇なく戸を引いてみる。
簡単に開いた。


この学校は長期休業時に鍵も掛けないのか、自由すぎではないかと思う。



「...誰もいなっしんぐ。」



確かに物音はこの図書室から聞こえたはず。まさかの幽霊?!
面白くしてみようとするが、こんな真っ昼間では情緒なんてものもない。


日当たりのよすぎる教室とは違い、少し日陰になっているからか、ここの空気は涼しい気がした。


窓際の端の席に座ってみた。


ちょうど音楽室の真下なのか、様々な音色が聞こえた。何の曲なのか、何の楽器なのかは分からない。



「頑張ってんなぁ。」



この音を出すまで、どれだけ練習をしてきたのか。
毎日毎日遊び歩くなんてことはせずに、ひたすら一生懸命取り組んできたのだろう。


あの頃のみんなのように。



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