wild poker~ワイルドポーカー~
「お~お、大ピンチ!!このままだったら追いつかれちまいそうだぜェ~?その女捨てて、逃げた方がいいんじゃないのぉ~?」
「うるさい!!」
俺の真横をパタパタと優雅に飛んで見せるコウモリに叫ぶと、ギリッと歯を食い縛った。
手を引いているこの子の足はお世辞にも早いとは言えず、このままでは追いつかれるのも時間の問題かもしれない。
……このままじゃ俺も……
そんな考えが頭に浮かんだ瞬間、ギュッと強く瞳を閉じ頭を振った。
……ふざけんな!!何考えてんだよ!!
ほんの一瞬、彼女を見捨てようとした自分に失望し、そんな愚かな考えを振り払う。