wild poker~ワイルドポーカー~

「おい!!さっきのに何の意味があったんだよ!!」

ゼイゼイと乱れる呼吸の中、そう叫び非難の視線をコウモリに向ける。

その瞬間だった。

突然、グラリと視界が揺れ、辺りの森が見えなくなっていく。

まるでこの森に初めて来た時の様な……

「……な、なに?」

そう言って手を握ったままの彼女が、怯えた様に小さく呟く。

「エリア移動だよ。ケケッ!!」

「……エリア移動?」

コウモリの言葉をそのまま繰り返して見せると、コウモリはハァっと深い溜息を吐いた。

「違うエリアにぶっ飛ぶの!どこに出るかは《運》次第。ケケケッ!!」

そのコウモリの笑い声と共に、揺らいでいた視界が次第に何かの形を浮かび上がらせる。
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