wild poker~ワイルドポーカー~
「……何、ココ」
そう小さく呟いた瞬間、バッと勢いよく手を振り解かれる。
どうやら手を繋いだままだった彼女が俺の手を振り解いたみたいで、彼女は俺から一歩、二歩と離れると、怯えた瞳で俺を見つめた。
「ごめんなさい。助けてくれてありがとう。だけど……貴方を信用したわけじゃない」
そう言って彼女は俺を真っ直ぐに見つめた。
「俺は君に何かするつもりはない。それに……人を傷付けるつもりも」
その俺の言葉に彼女は少し驚いた様に目を丸くすると、ギュッと俺に掴まれていた手を握り締めた。
「私だって……そんな事したくない。でも、皆は違うんでしょ?さっきだって、誰かが私を……殺そうとした」
そう言って彼女はカタカタと微かに手を震わせると、それを抑える様に更に強く手を握り締める。
「当ったり前だろ!それがここでのルールなんだからさぁ~!?」
「……黙れ!!」
口を挟んで来るコウモリをそう怒鳴り付けると、コウモリはハァと羽を竦めて見せた。