wild poker~ワイルドポーカー~

「どうして……どうしてこんな事に……」

そう言って彼女は俯くと、微かに肩を震わせる。

……泣いているのが分かった。

小さな肩を震わせて、彼女が泣いている。

「ケッ、泣けば何か解決するんですかぁ~?それとも涙は女の武器で、コイツを騙して利用しようって魂胆ですかねェ~?ケケケッ!!」

そう言って嘲笑うコウモリに刺し殺せる程に鋭い視線を向けると、コウモリはまた羽を竦めて見せた。

「……あ、あの……俺は……」

何とか泣いている彼女を宥めようとした……その時だった。
< 115 / 449 >

この作品をシェア

pagetop