wild poker~ワイルドポーカー~
「……ふ~ん。君達って最近ここに来たばかり?」
その問いに二人でコクコクと頷いて答えると、男はまた《ふ~ん》と気の抜けた声を漏らした。
「それにしては……結構なもの持ってるんだね」
そう言って男は笑うと、俺の横をパタパタと飛んでいるコウモリを見つめた。
「ケケケッ!またまた大ピンチですねぇ~?」
そんな小馬鹿にしたようなコウモリの言葉を無視して、真っ直ぐに男を見つめる。
「ま、いいや」
そう言って男は小さく息を吐くと、次の瞬間、二階の窓から飛び降りた。
ひらりと彼の体が宙を舞い、そしてトンと、華麗に俺の目の前に着地を決める。