wild poker~ワイルドポーカー~
「ケケケッ!悪い奴は、自分が悪い奴だなんて言わねェけどなぁ~?まぁ、いいんじゃねェの?そいつワリと長く生き残ってる方だしな」
そのコウモリの言葉に、男は困った様に笑うと、それから窺う様に俺を見つめた。
「ここから出る気は無いって……どうして…ですか?」
何となくタメ口を利く事が躊躇われ、たどたどしい敬語で問い掛ける。
「……う~ん。探している人が居るんだ。だからその人を見つけるまで……まだ帰れない」
男はそう言って笑うと、次の瞬間、着ていたシャツを捲り上げる。
すると彼の左の脇腹に、《ダイヤのK》のマークが見えた。