wild poker~ワイルドポーカー~
「僕は《ダイヤのK》……君達よりもこの世界の事は知っている筈だ。君達の力になれると思うよ。……ダメかな?」
「でも……どうしてですか?貴方が俺達に手を貸して、得する様な事は特に……」
「いや、あるよ。ゲームテーブルで役をつくる時に色んなマークや数字があった方が便利だし、物を持ったり、荷物とか見張ってて貰ったり……色々出来ると思って」
そう言って男は笑うと、静かに女の子を振り返った。
「ここは女の子が一人で生きて行くのは大変な所だと思うよ。戦う気が無いならなおさらだ。信用できないかもしれないけど、利用する気で一緒においでよ。とりあえずしばらくは水と食べ物に困らないと思うよ?」
その男の言葉に彼女は何か考える様に俯くと、それからコクリと頷いた。