wild poker~ワイルドポーカー~
「スペードの7……何でこんな所に」
置かれっ放しのカードを見つめたまま、小さく声を漏らす。
「多分、消えた死体のカードだな」
「死体の?」
そう藤谷の言葉を繰り返して見せると、藤谷はコクリと頷いた。
「ああ。二十四時間経てば死体が消えるって言っただろ?その時、死体が所持していたカードはそのエリアのゲームテーブルに移動するみたいだ」
「……何の為に?」
「う~ん……カードがそのまま放置されて誰にも見つからなかったら、ゲームが盛り上がらないから……じゃないかな?」
その藤谷の答えに眉を顰めて見せると、藤谷は困った様に笑う。
「それとも、カードが色んなプレイヤーに渡って役をつくり易くする為とか?」
「……どっちにしろイカれてるな」
そう言って自嘲気味に笑うと、置かれている《スペードの7》のカードを手にした。