wild poker~ワイルドポーカー~

「このムダに広いエリアの中で、人に出会えるって……結構凄い事だと思わない?」

その藤谷の言葉に小さく頷いて答えると、藤谷は更に話を続けた。

「最大でも53人しかこの世界に存在しない。それなのに俺も、そして千尋ちゃんも……すでに数人のプレイヤーに会っている。それって結構凄い確率だと思わない?」

そこまで聞いて、藤谷の言いたい事の意味がやっと理解出来た。

「つまり……上手い具合に調整されている……と?」

「うん。あくまで仮説だけどね。エリア移動はランダムで決まるけど、恐らく人の偏りが無い様にくらいは調整されてるかもしれない」

「……何か《面白い事》が起きる様に……か?」

そう言って呆れたように溜息を吐くと、藤谷はまた困った様に笑った。
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