wild poker~ワイルドポーカー~

「最初に言っておくけど……それは無理だ。ここで生き残りたいなら、必ず犠牲にしなくちゃならない。《自分以外の誰かの命》をね」

彼はそう言って真っ直ぐに俺を見つめる。

「残酷かもしれないけど、それだけは覚えていて欲しい。でなくちゃ、ここから生きて帰る事は不可能だと思うよ」

「そうそう。そんな甘ちゃんは生き残る資格なんてねェっつ~の!!」

そう言ってコウモリはケラケラと笑うと、パタパタと俺の周りを飛び回った。

「大丈夫、大丈夫!お前達も誰かから本物の《殺意》を向けられれば気付くはずだ。殺さなきゃ……殺されるってな!ケケッ!!」

「……頼むから黙ってくれ」

そう短く呟いて深い溜息を吐いて見せると、コウモリはケッと小さく舌打ちをして窓の枠にとまる。

そっと隣の霧島さんを見つめると、彼女は何か考える様に静かに灰色の床を見つめていた。
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