wild poker~ワイルドポーカー~

「わ、私……気付いたらここに居て……一体何が起こっているのか分からなくて……」

そう言って彼女は困惑した様に瞳を揺らすと、ポロポロと涙を流した。

「まだここに来たばかりなのか」

その須藤さんの問いに彼女はコクコクと力無く頷くと、不安そうに俺達を見つめる。

その間も何処からか銃声が聞こえ、それはまたこちらに向かって来ている様に感じた。

「ここで悠長に話している訳にはいかないみたいだね。とりあえずついてきて……話は後からだ。颯太君達も……いいよね?」

その彼の問いに霧島さんと二人顔を合わせ頷くと、そっと女の人を見つめる。
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