wild poker~ワイルドポーカー~
忠告 【side‐J】
「……黒咲真弓(くろさき まゆみ)24歳……小さな会社の事務職をしていました」
そうか細い声で、彼女は自己紹介をしてくれた。
あれから暫く歩き続けると、あんなにうるさかった銃声音は、全く聞こえなくなった。
その後、適当なビルを選び、その一室に俺達は居る。
灰色の壁と床の、やはり何も置かれていない広い部屋の隅で、四人で円を描く様に床に座っていた。
その俺の横に置かれたリュックにコウモリがとまり、奴は俺達を見回しながらニヤニヤとムカつく笑みを浮かべている。
窓から差し込む月明かりと、豪く人工的な光が薄暗いこの部屋を照らし、俺達の輪郭を淡くぼかす。