wild poker~ワイルドポーカー~

「……九時か。日も暮れたし、少し寝ようか」

「ね、寝るんですか?」

須藤さんの提案に少し驚いた様に言葉を返す。

「うん。普段の生活だったら早寝過ぎるかもしれないけど、寝られるうちに寝ておいた方がいいよ。意外と睡眠時間を取るって難しいんだ。……一人だとね」

そう言って須藤さんは笑うと、俺達の答えを待つように首を傾げて見せた。

そのまま俺と霧島さん、そして黒咲さんの三人で顔を見合わせると、皆、困った様に微かに眉を顰めて見せる。

……正直、全く眠くなかった。

それどころか意識はガンガンに覚醒していて、横になったところで眠れそうもない。

そりゃこんな所に放り込まれて数時間しか経っていないというのに……すでに色々な事があり過ぎた。

それは他の二人も同じ様で、ギュッと膝を抱えたまま静かに俯いている。
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