wild poker~ワイルドポーカー~
「須藤さんは……どうしてここに残っているんですか?三カ月間もこんな所に居るなんて……」
その霧島さんの問いに須藤さんは少しだけ表情を曇らせると、それから小さく息を吐いた。
「僕の……弟を殺した奴がここにいるんだ」
須藤さんのその呟く様な答えに、皆がゴクリと息を呑んだ。
彼の顔から笑みが消え、辺りに少し緊張した空気が張りつめ、皆が表情を強張らせているのが分かった。
「……弟?」
そう彼の言葉を繰り返すと、須藤さんはコクリと頷いてそっと視線を落とした。