wild poker～ワイルドポーカー～

「……お母さんたち……心配してるかな」

不意に聞こえたその霧島さんの呟きに、そっと彼女へと視線を向ける。

すると彼女はギュッと膝を抱えたまま、悲しそうに空に浮かぶ満月を見上げていた。

窓から差し込む街の明かりが、彼女の少し茶色い髪を照らしている。

それから彼女の左頬に刻まれた……赤い一本の線を。