wild poker~ワイルドポーカー~
「……もしも帰れたら……何て説明すればいいのかな」
霧島さんはそう言って困った様に笑うと、静かに俺を見つめる。
「そうだな……俺も母さんに何て説明しようかな。無断外泊なんて……今頃絶対マジギレしてるって」
そう答えた瞬間、母親の鬼の様な形相を思い出し、思わず小さく身震いを感じた。
……母さん、怒るとマジで怖いからな。
般若の様な母親の顔と耳の痛くなる怒声を思い出しながら、クスリと吐息を漏らす。
でも……今頃一人で泣いてるかもしれない。
そんな事を考えていた次の瞬間、窓際にとまっていたコウモリがパタパタと俺の近くまで飛んで来る。