wild poker~ワイルドポーカー~
「お母さん、お母さんって……ママのおっぱいでも恋しいんですかねぇ~?これだからケツの青いガキ共は」
「……うるさい」
そのコウモリの馬鹿にした様な言葉に冷たく返すと、霧島さんは困った様に笑って俺とコウモリを見つめた。
「何だか懐いてるみたいだね……そのコウモリさん」
「……えぇ!?どこが?」
霧島さんのその言葉に眉を顰めて見せると、霧島さんはまた困った様に笑った。
「……はぁ!?俺様が懐く?んなワケねェだろ。ケケッ」
コウモリはそう言ってパタパタと飛ぶと、元居た窓の枠へと戻って行く。
その黒い後ろ姿を見つめたまま小さく舌打ちをすると、霧島さんに向かって同じ様に笑みを返した。
それから何も言わないまま、二人でただ静かに空に浮かぶ満月を見上げる。