wild poker~ワイルドポーカー~

「これからどうするんですか?」

乾パンを齧るその俺の問いに、須藤さんは何か考える様にそっと窓の外に視線を移した。

「昨日、銃撃戦のあった場所。ちょっと見てきたいんだよね」

「……えぇ?」

須藤さんの答えに思わず声を洩らすと、皆の視線が須藤さんに向けられる。

「カードが残ったままかもしれないし、それに……《誰》が死んだのか調べておきたいんだ」

そう言った須藤さんの瞳が、微かに仄暗い闇を纏う。

……《ハートのQ》がそこに居るかもしれない。

多分、そういう意味だと思う。
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