wild poker~ワイルドポーカー~
「もしも六時間経っても帰って来なかったら、多分、《何か》あったって事だからさ……その荷物は君達にあげる」
「……そ、そんな」
困惑する俺を無視して須藤さんはクスクスと笑うと、小さく手を振って見せた。
それと共に須藤さんはコウモリを見つめると、クスリと微かに妖しい笑みを浮かべる。
「じゃ、行ってきます」
その彼の眩しい笑顔を三人で茫然と見送ると、はぁっと深い溜息を吐く。
皆は缶詰や乾パンを手にしたまま、彼の出て行った灰色の扉を静かに見つめていた。