wild poker~ワイルドポーカー~
『そうだよ。主人公となりえる者。それは一体……どういう奴なのかってね。僕はとっても興味がある。それは世界を救う勇者であったり、様々な事件を解決する名探偵だったり、悪を狩る変身ヒーローだったりね。……物語の中には、いつだって主人公がいる。でも彼等は一体……何が違うんだと思う?』
その少年の問いには答えず、ただ静かに少年を見つめ続ける。
『村人Aで終わる奴や、手下Fとして殺される奴。主人公達と一体何が違うんだろうね。そう……考えてみたんだ。そしたら一つの結論に行き当たった』
そこまで言って少年はクスリと甘い吐息を漏らすと、俺に向かって手を差し伸べる。