wild poker~ワイルドポーカー~
「……だから……」
「お前……このままじゃ死ぬぞ」
俺の言葉を遮ったそのコウモリの言葉に、ドクンと心臓が強く鼓動を打つ。
聞こえたその声は今までこのコウモリが出していた、人の神経を逆撫でする様なムカつく声ではなく……冷たく、そして何故かとても不安になる様な、静かな声だと思った。
「ケケ、まぁ、すぐに分かるってもんだ」
コウモリはそう言っていつものムカつく笑みを浮かべると、そのままパタパタと飛んで行く。
そのすでに見慣れつつある黒い後ろ姿を見つめたまま、どうしようも無い不穏な気配を感じた気がした。