wild poker~ワイルドポーカー~
それから暫く歩き続けると、灰色のアスファルトの上に……赤い線が見える。
……境界線。
その赤い線を見つめ、それからそっと藤谷を振り返ると、藤谷は俺の肩に手を乗せ、小さく頷いて見せた。
それに促される様にそっと赤い線の先に足を踏み入れれば、辺りの景色がグラグラと揺らぎ始める。
いい加減慣れつつある歪んだ世界を見つめながら、少し緊張で身を強張らせグッと息を呑む。
……変な所に出なければいいが。
そんな事を考えていた次の瞬間、辺りに見えていたビルの姿は消え去り……そして辺りを覆い尽くす《緑》が姿を現した。