wild poker~ワイルドポーカー~

それから草木を掻きわけ、暫く進んだその時だった。

パンっと乾いた音が辺りに響き、それと共に森に居る鳥たちがバサバサと飛び立つ音が聞こえる。

その乾いた音は昨日嫌になる程に聞こえた、《あの音》に似ている。

「……銃声音。誰かが居るみたいだな」

身を屈めた藤谷がそう呟いた次の瞬間、ガサガサと何かが草木を掻きわけ、走る音が聞こえた。
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