wild poker~ワイルドポーカー~

「後ろだ!!」

その俺の叫びに彼女はハッと後ろを振り返り、そのまま手にした銃を構えた。

それから間髪入れる間も無く、パンと短く乾いた音が辺りに響き渡る。

その音が繰り返し頭の中に反響する様なそんな感覚を覚えたまま、ただ茫然とその場に立ち尽くした。

それから暫く静寂が続き、ドクドクと微かに鼓動を速める自分の心臓の音が耳に届く。

その次の瞬間、彼女は動いていた筈の草影へと向かって歩いて行くと、そっとその草を掻き分けた。

そして彼女は何やらゴソゴソと草を揺らすと、それから俺達を振り返った。
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