wild poker~ワイルドポーカー~

「借りは作りたくないの。これでチャラって事でいいかしら?」

そう言って彼女は小さく首を傾げ、俺の答えを待つ。

「このカードって、さっきの人のカード?」

その藤谷の問いに彼女はコクリと頷いて見せると、ハァっと深い溜息を吐いた。

「ちょっと寝ようと思ってウトウトしてたら、急に狙われちゃって。向こうも銃を持ってたし、逃げようとしたんだけど意外にしつこくって。……で、こんな感じ」

そう言って彼女は肩を竦めて見せると、真っ直ぐに俺を見つめる。
< 226 / 449 >

この作品をシェア

pagetop