wild poker~ワイルドポーカー~
ダイヤの7 【side‐A】
そっと目を開けば、そこは……草原だった。
辺り一面を爽やかな緑が埋め尽くし、微かに吹く風でさわさわと揺れている。
「……ここは」
そう小さく声を漏らし辺りを見回すが、何処を見ても同じ様な光景が延々と続いていた。
果てしなく続く草原に、まばらに見える木々や小さな林。
そして見える……地平線。
そんなモノは教育テレビでやっている様なドキュメンタリーの中でしか、御目見えした事がない。
「あのガキの言っていた事は……本当か」
また小さく呟き大きな溜息を吐くと、手にしたままの【マーク】とやらの機械を腕に嵌めた。
パチンとベルトの結合部分を嵌めると、緑色の液晶に文字が浮かび上がる。