wild poker~ワイルドポーカー~

「エリア移動?どこか別の場所に移るのか?」

意見を求める様に二人を振り返ると、二人は何も言わないまま俺の肩へとポンと手を置く。

「行くしかないでしょ」

そのニヤリと笑った藤谷の言葉に雪村がうんうんと頷き、それと共に小さく息を吐く。

「じゃあ、押すぞ」

その俺の呟きに二人が気の抜けた返事を返すと、そのまま《相談》のボタンを押した。

すると《エリア移動を始めます》と短いアナウンスが響き、それと共にグラグラと辺りの景色が歪み出す。

それはもう何度か行ったエリア移動と、なんら変わりのないモノだった。

しかし次第に辺りが眩い光に包まれ、そして見えた光景に……大きく目を見開いた。
< 267 / 449 >

この作品をシェア

pagetop