wild poker~ワイルドポーカー~
「……ここ……は」
擦れた声で呟き、茫然と目の前の景色を見つめる。
「……やっぱり」
後ろから雪村の震える呟きが聞こえたが、それに構っている余裕は今の俺には無かった。
目の前に広がるのは……《街》だった。
それは銃撃戦に巻き込まれたあのビル街ではない。
整備された……閑静な住宅街。
真っ直ぐに伸びる道路には、それに沿う様に家が建ち並んでいる。
その景色には見覚えがあった。
何故ならここは、この狂ったゲームに参加する前に……俺が《住んでいた》街なのだから。