wild poker~ワイルドポーカー~
「どうして……元の世界に戻ったのか?」
困惑するその俺の問いに、二人は何も答えない。
ただ二人も険しい顔をしたまま、辺りの景色を眺めている。
……間違いない。
ここは……《俺の街》だ。
……俺が暮らしていた街。
そんな事を漠然と考えながらキョロキョロと辺りを見回すと、不意に電柱に貼られた住宅販売の広告が目に留まる。
その住所は俺の住んでいた家の近所で、ココが間違いなく俺の住んでいた《場所》だという事を物語っていた。
「……俺の……街」
そう力無く呟いたその瞬間、左手の指輪が、まるで《何か》を訴えるかの様に……悲しく光った気がした。