wild poker~ワイルドポーカー~
「やめろ!!」
そう男に向かって叫び、強く歯を食い縛ったまま、男を睨み付けた。
すると男は微かに俺を振り返りフンと鼻を鳴らすと、凍りつく様に冷たい瞳で霧島さんを見下ろす。
「生意気な態度取ったから当たり前だろ?コイツはまだ自分の状況が分かってねェ、馬鹿女なんだよ。これから俺のご機嫌を窺って生きる事になるってのにな」
そう言って男が霧島さんの髪を乱暴に掴み、顔を上げさせると、彼女の口から赤い鮮血が流れ落ちた。
殴られたせいで切れた口からポタポタと血が滴り落ち、それは灰色の床を不穏に染めて行く。