wild poker~ワイルドポーカー~

「……あ~あ、カワイソ。大人しく俺の言う事聞けば、痛い目見なくてすむのに」

そう言って男は霧島さんの口元の血を舌で舐めると、ニタリと不気味な笑みを浮かべて見せた。

それに怯える様に霧島さんがグッと息を呑み、しかしそれを振り払う事も出来ないまま、震える瞳で男を見つめている。

「やめろって言ってんだろ!!」

我慢の限界に達し、力の限りそう声を荒げる。

そして縛られている腕を必死に振り解こうと身を捩ったその瞬間、俺の腹へと男の蹴りがめり込んだ。

「……グッ!!」

そう小さく声を洩らし、その衝撃に眉を顰める。

「うるせぇな。あんま調子乗ると、殺すぞ」

その男の言葉にグッと息を呑み、歯を食い縛ったまま男を見上げた。
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