wild poker~ワイルドポーカー~
「で、俺はこっちのお姉さんにしておくかな。そっちの女ムカつくし、大体、ガキには興味ねェし。それにさ、この女……結構いい女だよな」
そう言って男は黒咲さんの前に立つと、彼女の掛けている銀縁の眼鏡を外した。
それから少し長い彼女の前髪を男の手が乱暴に掻き上げ、そして見えたその顔に……思わず息を呑んだ。
そこには整った綺麗な顔が見える。
さっきまで彼女が纏っていた地味さは掻き消え、凛とした冷たいオーラを感じられる気がした。