wild poker~ワイルドポーカー~
「この二人は前にストレートを揃えた事があるから、ここに来た事があるんだ」
「……ここ?」
そう少年の言葉を繰り返すと、少年は《ああ》と言いたげに微かに目を見開いて、それから小さく笑った。
「ここって言うのは、この僕が創った偽物の街にってコト。僕は二人の家にもお邪魔させてもらったからね。皆、ここに来て考える事は一緒みたい。……《家》って大事な所なのかな。僕にはよく分からないけど」
そう言って少年は困った様に笑うと、《さぁ、どうぞ》と俺達を部屋に入る様に促す。
しかしそれには応えないまま、静かに二人を見つめた。