wild poker~ワイルドポーカー~

「この二人は前にストレートを揃えた事があるから、ここに来た事があるんだ」

「……ここ?」

そう少年の言葉を繰り返すと、少年は《ああ》と言いたげに微かに目を見開いて、それから小さく笑った。

「ここって言うのは、この僕が創った偽物の街にってコト。僕は二人の家にもお邪魔させてもらったからね。皆、ここに来て考える事は一緒みたい。……《家》って大事な所なのかな。僕にはよく分からないけど」

そう言って少年は困った様に笑うと、《さぁ、どうぞ》と俺達を部屋に入る様に促す。

しかしそれには応えないまま、静かに二人を見つめた。
< 304 / 449 >

この作品をシェア

pagetop