wild poker~ワイルドポーカー~

「どうして……何も言わなかった」

その俺の呟く様な問いに、二人は何も答えない。

雪村は口を噤んだまま俺から目を逸らし、藤谷は何か考える様に少し眉を顰めて、俺の様子を窺っている。

辺りには緊張した空気が張り詰め、その息苦しい空気の中、小さく息を呑む。

……この二人の目的は何だろうか。

俺にストレートを揃えさせ、この場に連れて来た。

……一体、何の為に?

そんな考えと二人への疑心に揺らぎ、グッと拳を握り締める。
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